趣味と飛行とガジェットと

趣味で空を飛んでいるアラサー会社員が、スマホやタブレットを中心としたガジェットの活用法を気ままに紹介していきます。

スポンサーリンク

【X-Plane11】初心者向け解説!Ortho4XPとW2XPでシーナリーをリアルに(その1)

f:id:flying-gadget:20171105120509p:plain

こんにちは、空飛ぶガジェッター、みいや(@flying_gadget_m)です。

PC向けフライトシミュレータの定番であるX-Plane11で、衛星写真を用いたリアルなシーナリーを生成するツールであるOrtho4XPと、建物等の描画を改善するアドオンW2XP(どちらも無償)の導入方法を初心者向けに解説します。長くなるので複数の記事に分けて紹介予定で、今回はOrtho4XP編です。

 

はじめに

X-Plane11はフライトシムとしての完成度は素晴らしいのだが、日本向けのアドオンシーナリーはFSX等と比べると少ない。また、デフォルトのシーナリーはあまりリアルとは言えない。まあ世界中をモデル化しているので個々の地域の精度がさほど高くないのは致し方ないところである。

それでも景色のリアルさはフライトシムの楽しさを左右する要素であるし、特に私のように低高度のVFRを飛ぶ人には重要である。ちなみに余談だが、シーナリーのリアルさ「だけ」でフライトシムを評価するならGoogle EarthのPC版(Pro)の機能として付いてくるフライトシムが優勝である。ただし、あくまでオマケ機能なのでフライトシムとしては本職のX-Plane等と比較できるものではない。

そこで、本ブログではOrtho4XPとW2XPというツールを用いたX-Plane11のシーナリー改善手順を初心者向けに解説する。。Ortho4XPは地面に衛星写真をマッピングするためのタイルを生成するツールで、特に上空から見た山や川、田んぼ等の風景のリアリティを向上させる。一方でW2XPは自動生成される建物等の並びをデフォルトの欧米っぽい感じから、日本らしい配置に変更する。

 

Ortho4XPとは?

Ortho4XPはGoogle Earthのようなインターネット上の衛星写真をダウンロードしてX-Planeのシーナリーに変換する無料ツールである。デフォルトのCGのシーナリーを高精細な衛星写真で置き換えることによって下の画像のように上空からの景色のリアルさが格段に向上するので、ぜひ導入しておきたい。手順は以降で解説するが、さほど難しくない。

 

f:id:flying-gadget:20171105120501p:plain

 

ファイルサイズについて

衛星写真はファイルサイズが大きいので、Ortho4XPでまず問題となるのはディスク容量である。ファイルサイズは「カバーしようとする範囲」と、「ズームレベル(解像度)」によって決まる。当然であるが高い解像度で広範囲をカバーしようとすればファイルサイズは膨大となる。

Ortho4XPでは緯度1°×経度1°の範囲を1つの単位(1タイル)としてシーナリーの作成を行う。日本全国をカバーしようと思えば約100タイルの作成が必要である。1タイル当たりのファイルサイズはZL(ズームレベル、つまり解像度)に依存する。私はZL16~18を試したが、ズームレベルとファイルサイズ、感覚的な解像度は以下の通り。

 

  • ZL16:デフォルトの解像度。高高度なら問題ないが、3000ft以下の低空から見ると少し粗さが気になる。1タイル当たりのファイルサイズは約2GB
  • ZL17:低空飛行でも粗さが気にならなくなる。1タイル当たりのファイルサイズは約8GB
  • ZL18:通常の飛行ではZL17との違いはほとんど感じられない。1タイル当たりのファイルサイズは約30GB

 

結論から言えば、旅客機等で高高度をメインで飛ぶなら基本ZL16で、お気に入りの空港を含むタイルのみZL17が良いと思う。セスナ等で低空を飛ぶなら基本ZL17を推奨する。

ディスク容量は、例えば日本全国をカバーしようとした場合、ZL16なら200GB程度、ZL17なら700GB程度必要となる。Ortho4XPのファイルは後述するシンボリックリンクを使えばX-Planeのインストール先と別のドライブに置くこともできるし、Ortho4XPのシーナリーファイルをHDDに置いても読み込み速度は全く問題ない。私もX-PlaneのインストールフォルダはSSDだが、Ortho4XPのシーナリーはHDDに置いている。最近は大容量HDDが安い(内蔵なら4TBで1万円程度)ので、X-Plane用に1台用意しておくと心置きなくシーナリーを拡張できてお勧めである。

 

 

シーナリーの作成手順

ここからは具体的なOrtho4XPによるシーナリーの作成手順を解説する。

 

Ortho4XP本体のダウンロード

Ortho4XP本体は作者のDropboxから最新版をダウンロードする。以下のリンク先に飛んで右上の「ダウンロード」をクリックするとzipファイルがダウンロードされるので、適当な場所に解凍する。インストールは必要ない。

 

www.dropbox.com

 

f:id:flying-gadget:20171105152947p:plain

 

標高データのダウンロード

まずは以下のリンク先に飛び、シーナリーを導入する場所の標高データをダウンロードする。解凍して得られた拡張子が.hgtのファイルをOrtho4XPフォルダ内のElevation_dataフォルダに入れる。後からの拡張に備えて、どこの標高データを入れたかをエクセル等に記録しておくと良い。ちなみに最新版のOrtho4XPでは足りない標高データを自動でダウンロードする機能があるので、この手順を飛ばしても問題ないそうです(未確認)。

 

viewfinderpanoramas.org

 

f:id:flying-gadget:20171105132013p:plain

 

エリアの選択

Ortho4XPフォルダ内のbinフォルダにあるexeファイルをダブルクリックしてOrtho4XP本体を起動する。起動したら左上のEarth Tile Mapをクリックすると地図が表示される。デフォルトではヨーロッパが中心なので、地図上で右クリックしながらドラッグして作成したいエリアに移動し、ダブルクリックしてタイルを選択する。今回は例として名古屋空港を含むタイル(北緯35°、東経136°)のシーナリーを作成する。

 

f:id:flying-gadget:20171105133403p:plain

 

作成したいタイルが黄色の四角で囲まれていることを確認して、地図画面を閉じる。本体に戻って、Tile Coordinatesの緯度経度が選択したエリアと一致していることを確認する。Provider and Zoomlevelの項目でBase zoomlevelを設定する(ZL設定の方針は上述)。その他の項目はデフォルトのままで良い。

 

f:id:flying-gadget:20171105134134p:plain

 

タイルの生成

設定が済んだら、Step1~3を順番にクリックしてタイルの生成を行う。基本的にクリックしてCompleteの表示が出るまで待ち、出たら次のステップのボタンを押すことの繰り返しである。タイルはOrtho4XPフォルダ内のTilesフォルダに生成されるので、作業前にOrtho4XPフォルダを含むディスクに十分な空き容量があることを確認しておこう。

 

  • Step1:Build vector dataをクリック→Completed in 〇〇secの表示が出て止まるまで待つ
  • Step2:Build base meshをクリック→Completed in 〇〇secの表示が出て止まるまで待つ
  • Step2.5:Build Masksをクリック→Completed in 〇〇secの表示が出て止まるまで待つ
  • Step3:Build Tileをクリック→Completed in 〇〇secの表示が出て止まるまで待つ

 

Build TileはZLにもよるが基本時間がかかる(ZL16で1タイル30分位、ZL17だと2時間くらい)ので、まったりする、寝る、会社に行くなどご自由に。作業が完了するとTilesフォルダにzOrtho4XP_+35_+136(名古屋エリアの場合)といった名前のフォルダが作成される。

 

オーバーレイの生成

Build Tileが完了したらCustomOverlay Dirにチェックを入れ、X-plane11/GlobalScenery内にある”X-Plane 11 Global Scenery”フォルダを指定する。その後BuildOverlayをクリックし、止まるまで待つ。オーバーレイは衛星写真のシーナリー上にレンダリングされる木や建物などのオブジェクト、夜間の灯火などを含むレイヤーである。作業が完了するとOrtho4XPフォルダにyOrtho4XP_Overlaysが作成される。

タイルとオーバーレイが生成されたらシーナリーの作成そのものは完了である。次は作成されたシーナリーをX-Planeに読み込ませる。

 

シーナリーの読み込み

X-Planeに追加シーナリーは、X-Planeのインストール先にあるCustom Sceneryフォルダから読み込まれる。上記の手順で作成したOrtho4XPを読み込ませるには、生成されたzOrtho4XP_XXXと、yOrtho4XP_Overlayの各フォルダをCustom Sceneryフォルダに丸ごと放り込むのが最も単純な方法である。ただし、上記の方法ではX-Planeのインストール先ドライブに大容量のシーナリーファイルを置く必要がある。ドライブのディスク容量が許すなら上記の方法で問題ない。

もう一つの方法として、シーナリーファイル本体は別のフォルダに置いておき、Custom Sceneryフォルダから別のフォルダにシンボリックリンクを貼って読み込む方法がある。この方法であればX-Planeをインストールしたドライブ(例えば、小容量のSSD)と別のドライブ(例えば、大容量のHDD)にシーナリーファイルを置くことができる。以下ではWindows環境で上記のことを行う方法を解説する。

 

シンボリックリンクの貼り方

シンボリックリンクとはファイルやフォルダの場所を示すショートカットのようなものである。今回の例ではCustom Sceneryフォルダ内にOrtho4XPシーナリーファイルの場所を示すシンボリックリンクを作っておき、別のフォルダにある本体ファイルを読み込ませる。

シンボリックリンクを貼るには、コマンドプロンプトを管理者権限で起動(スタートメニューの検索窓に"cmd"と入力し、表示されたコマンドプロンプトのアイコンを右クリックして「管理者として実行」を選択)し、以下のコマンドを入力する。

 

mklink /D "リンク元フォルダのフルパス" "リンク先のフォルダのフルパス"

 

例えば、デスクトップにインストールしたX-Plane11のCustom SceneryフォルダからE:\Ortho4XPTiles\zOrtho4XP_+35_+136フォルダへのシンボリックリンクを貼る場合は以下のコマンドとなる。

 

mklik /D "C:\Users\(ユーザー名)\Desktop\X-Plane 11\Custom Scenery\zOrtho4XP_+35+136" "E:\Ortho4XPTiles\zOrtho4XP_+35+136"

 

なお、コマンドプロンプトにフルパスを入力する場合はエクスプローラからフォルダのアイコンをドラッグ&ドロップすると簡単である。

f:id:flying-gadget:20171105164848p:plain

 

シーナリーの順序について

X-Planeのシーナリーは階層構造になっており、同じ場所であれば上のレイヤーにあるものが優先的に表示される。レイヤーの順序はCuntom Sceneryフォルダにあるscenery_packs.iniに定義され、このファイルに記載されている順序となる。Ortho4XPを入れた場合の順序は、

 

  • 空港等の追加シーナリー
  • Ortho4XPのオーバーレイ(yOrtho4XP_Overlays)
  • Ortho4XPのタイル(zOrthoXP_xxx)

 

となるのが正しい(タイルが上にくるとオブジェクトが上書きされて表示されなくなるため)。scenery_packs.iniはX-Planeが起動するとフォルダの状態をもとに自動的に生成され、その際に新しく追加したシーナリーが一番上に表示される。従って、Ortho4XPのシーナリーを追加したらX-Planeを起動して一旦終了し、scenery_packs.iniをエディタで編集して上記の順序になるように並べ変える必要がある。

 

X-Planeを起動して確認

無事シーナリーの作成、フォルダの設定が済んだらX-Planeを起動し、実際に飛行してシーナリーを確認しよう。地上に衛星写真がマッピングされて風景が格段にリアルになっているはずだ。

Ortho4XPで全体的な風景は改善されるが、オーバーレイで表示される建物の並びはどこか欧米的で、日本の風景としては違和感があると思う。次回はその辺を改善するW2XPの解説を行うので、お楽しみに。

それでは、今日も読んで下さりありがとうございました。Good day!